<大塚家具>のお家騒動は、テレビなどのニュースで伝えてるのかは分かりませんが、結局のところ必ず行き着くさきは、「株式公開の会社は誰のものか?」って問題になります。

会社の経営者はどこも上場を目指すものです、それは上場する事によって莫大な利益を得る事が出来るからです。

創業者利益の発生メカニズムに触れると収拾がつかなくなりますので触れませんが、創業者利益で得た税金は非常に安くなります。

<大塚家具>はジャスダックに上場してる企業です。

上場した時点で、会社は株主の物となるんです。株主は株価が上がる経営者側を推すのは当然です。

その大前提を踏まえておく必要があります。

父 勝久さんの支持者は、奥さん、息子などの殆どが家族関係。

一方、娘 久美子さんの支持者は、外資系ファンドなどです。

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では、基本的なニュースをまずは引用します。


毎日新聞 3月27日(金)13時14分配信 より

<大塚家具>父と娘の対決 久美子社長が勝利 61%賛成

 ◇勝久会長の株主提案は否決される

 経営方針をめぐって会長の父と社長の娘が対立している大塚家具の株主総会が27日、東京都内で開かれた。会社側が提出した社長の大塚久美子氏(47)ら10人の取締役の選任を求める議案が賛成多数で可決された。一方、久美子社長の父の大塚勝久会長(71)らを取締役に選任する株主提案は否決され、勝久氏は会長を退いた。委任状争奪戦に発展した父娘の対立は、久美子氏に軍配があがった。


毎日新聞 2015年03月24日
高級路線か変革か…社長と会長、泥仕合に  

 勝久氏と久美子氏の対立点をおさらいするには、先月25日に父が、翌26日に娘が開いた記者会見での言葉を挙げるのが早道だろう。

 父いわく「高いと言われながらよい物を販売し、ここまできた」「ニトリさんとかイケアさんを意識したら間違います」「(娘は)営業経験が少ない」。とどめの一言が、メディアの見出しにもなった「悪い子どもをつくった」である。

 一方の久美子氏は「高級家具だけを売るのではない。気軽に立ち寄ってもらう店舗づくりをする」「創業者の庇護(ひご)から離れねばならない限界地点が来る。今がぎりぎりのタイミング」と訴えた。

 勝久氏は来店客に住所などの記入を求め、従業員が店内を案内して商品を説明する手法で業績を伸ばし、現在の「大塚ブランド」を確立した。しかし、2009年に社長に就任した久美子氏は他社との競争が激しくなる中、幅広い客層を呼び込む戦略を提唱。それが勝久会長には、自身の手法の否定と受け止められている模様だ。




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この騒動にからんで個人的な見解を言うと、「一度退いて子供に譲ったら、ゴタゴタ言うなっ!」ってのが感想ですね。

過去の事例を見ると、一度引退したら完全に任せるとした場合は案外成功してますが、中途半端に引退した親が口出しするとモメてます。
 
ちょい調べた内容を記載すると、

娘 久美子さんは、一橋大時代も成績は非常に優秀で、担当の教授から「大学に残って後継になって欲しい」とまで言われたそうですが、先輩から「世間を知ってから大学に戻るのでも良いではないか。」とのアドバイスに従い、みずほ銀行(旧:富士銀行)に入社します。

銀行では「大塚家具のお嬢さんは優秀だ」との評判で、家具屋の娘だけに、「かぐや姫」と言われてたそうです。

その後、父 勝久さんが、自社株買いをドンドン行った事が、証券取引法に引っ掛かりインサイダー取引疑惑で事情徴収を受けた事を契機に、娘が社長になります。




双方の言い分を聞くと、一見それぞれが正しく聞こえるのだが、私が大塚家具の株主である投資家なら、久美子社長の方を推しますね。

父 勝久さんは、春日部の家具屋を一代で大きくした手腕は認めるところだが、昔の会員制の手法に戻すなどの事ばかりで、やはりビジョンが無い。

父の時代は高度経済と共に、家を購入したと同時に、会員制にしてフルコーディネートで家具を揃える手法で爆発的に業績を伸ばしてきました。

ところが、2000年代に入ると明らかにその手法が通じなくなり、業績を落としていきます。


その頃、娘、久美子さんにバトンタッチすると、それまで親子5人の家族会のような役員会だったのを、社外取締役を入れたりしてオープンにして行こうとしたのが、父、勝久さんの逆鱗に触れます。そして社外取締役を追い出し、久美子さんも一度解任されます。

久美子さんが会社が業績を落とした理由を分析したところ、トータルで家具をまとめ買いするニーズが減っており、ライフスタイルに合わせて、少しずつ家具を揃える購入が多いといるとの結論に至ります。

大塚家具のリソースを、客のニーズに合わせて再配分した方が良いと考ます。
 
久美子社長のプレゼン資料を読むと、大塚家具はインテリアコーディネーターなどの資格ホルダーが沢山いて家具に非常に詳しい人材が多い。また、家具も外注に丸投げの他社と違い、一からコンセプトに合った家具を全て作る事が出来るので、ブランドも再編して、人材の再配置を行えば、十分に大塚家具の利益を伸ばす事が出来るとのビジョンです。



朝日新聞の記事では、この騒動で漁夫の利を得たのは、米国の投資ファンドだと結んでますが、これは違うと思います。

外資が入ってきて大変だとか言いますが、株式公開した時点で当たり前の話で、そういう時代なんです。

投資ファンドにマネーを入れてるのは投資家であり株主です。儲ける為にファンドをやってる訳で、会社が利益を出し、配当を多く貰えると踏んだ方を支持するのは当たり前なんです。

相変わらず、朝日の認識は古いですね。




委任状獲得合戦(プロキシーファイト)の解説は、奥が深いのでまた今度の機会に。



この騒動で一番心配だったのは、おそらく大塚家具の従業員たちだったでしょう。


今回のように、一代で大きくした創業者である人が健在な状態で揉める例は案外少ないです。

カリスマ的な創業者が亡くなった後に揉める例は山ほどあります。

松下電器(現:パナソニック)の創業者 経営の神様と言われた 松下幸之助さんが亡くなった後も、創業者一族の影響を失くすのに、松下電器は大変苦労しました。

絶大な人気マンガであった「空手バカ一代」の主人公で実在の人物。極真会館の創業者、マス大山こと大山倍達先生が亡くなった後も、後継者を事前指名していたにも関わらず、創業者一家と揉めて結局、極真会館は分裂してしまいます。

空手バカ一代


当時、私は池袋の極真会館の総本部道場に通っていたのですが、当時の分裂騒動に大変戸惑うと同時に非常に悲しい気持ちになったのを覚えています。

最近、父の死後の財産整理の話をしに良く実家に帰ってます。(実家と行っても車で1時間もかかりません。)

会社で持ってる流動資産、不動産。個人で持ってる流動資産、不動産はどれで、不動産の価値はどれくらいで、どの不動産は売却すべきかなど、父の脳みそがしっかりしてるうちに話すためです。

相続税はどれくらい掛かるのか、どう相続するのが良いなどを、父、兄弟と事前に色々と話す事が重要だと、改めて思ってます。