日本にも愛好家が多い、ドイツの自動車会社フォルクスワーゲン(VW)が、有毒な NOx (窒素酸化物)等の排ガス試験を逃れるため、1100万台に不正なソフトウエアをディーゼル乗用車に搭載してたって大ニュースです。

(ちなみに、私が乗ってるのもドイツ車です。)



このソフトウエアには「ステアリングの位置」、「車速」、「吸気圧」などから排ガス試験中であることを検知すると、「試験用」の制御ソフトウエアを走らせて、排ガスの有害物質のレベルを基準値以下に抑えるっんだって!!


排ガスに含まれるNOxの量は、走行中だと米環境保護局(EPA)の基準値の最大40倍に達するんだってさ!!

※NOx :人体ののど、気管、肺などの呼吸器に悪影響


日本には、このディーゼル乗用車は輸入されて無いようですね。




フォルクスワーゲン(VW)株で
儲けようとしていたローンイマイ 


実はこのニュースが発生する前に、

フォルクスワーゲンのショートポジョシン(空売り)で

どうやって利益を上げようか購入タイミングから売りのタイミングなどの投資計画をまとめてた最中だったのでビックリしました。

(特定の証券会社の紹介は避けるようにしてるのですが、今回に限りちょっとだけ。。VW株の空売りは外資IG証券で出来ますし、GMO証券では、ドイツ全体の株価指数の取引も出来ます。下がったところの値上がりを狙って買うこともできますし、急落を狙って空売りすることもできます。※証券会社や個別銘柄の質問を受けてもお答えは致しかねます。)





1日で20%以上も株価が下落で2兆円が一瞬で飛びましたので、

VW株が落ちて行く前に空売りで儲ける事を狙ってた私の投資計画は既にオジャンですので、

(まだ下がるとは個人的に思いますけどね。ただ既にもう遅いので、他の投資先を考えた方がよほど良いです。)

VW株が下がると思った背景を記載します。




読者とのメールやり取りで


2週間ほど前に投資について中国問題の影響の見立てを聞かれた時に、


聞かれても、投資の話も個別銘柄を言う事は無いのですが、


非常に親しくやり取りしてる読者の方だったので、私の見立ては伝えました。



まずチャイナショックで国として一番打撃を受けるのは、ドイツ韓国で、

特にドイツの「フォルクスワーゲン」なんて、

日本が尖閣問題以降に撤退していったのと交代するように中国へ徹底進出してた事を指摘しており


VWはここ数年、中国で販売台数を急速に伸ばしていて、毎年のように中国に工場が新設されていました。


 
その為、VWはチャイナショックで今後ボロボロになる事を伝えていました。





中国の影響は数字で分かる


確か最新の数字で。


ドイツが
・貿易依存度は約70%
・輸出依存度が40%



韓国が
・貿易依存度は約80%強(88%だったかかな)
・輸出依存度は40%位。


しかも問題が、貿易の非常に多くが中国に頼ってしまっています。



一方で、日本は、

貿易依存度は31%
輸出依存度が14%

日本は、典型的な内需の国です。

また、中国への輸出はGDPの3%未満ですから、影響が少ないんです。




一方中国は、資本財は生産する技術が無いので日本からの輸入に頼ってます。

また、中国国内で工業製品の生産は日系企業がほとんどです。

中国は日本に依存してる生産体制なのに、核保有国だから譲らざるを得ないっていうのもあるけど、日本はもっと強気に出て欲しいね。





ちなみに、中国経済は非常に変わった構造をしてまして、

普通の国家の経済は、
消費が60~70%
投資が20%
残りは経常収支黒字


中国は、
消費が、20%~25%
投資が、50%以上

要は中国は投資でもって経済を支えています。

日本のような内需の国家とはほど遠いんですね。

中国人が国内で魅力の商品を見つけられないので、日本で爆買したりと消費が全部国外に逃げてる構造です。爆買してるのはお土産では無くて、日常品を買って持って帰って売りさばいたりしてるんですね。

また社会保障制度が整備されて無いので、貯蓄率も高い。 


あと中国は固定相場制です。


国際金融では、「固定相場制」、「独立した金融政策」、「自由な資本移動」のうち

3つを同時に選択する事が出来なくて、2つを取ると、1つは諦めざるを得ない。


 
「国際金融システムのトリレンマ」 と言います。)


普通先進国は、

景気に応じて中央銀行が金融政策を自由にしたく(=独立した金融政策)、

資本移動を制限せずに外資が参入加入にする(=自由な資本移動)


その代わりに、安定した固定相場を諦めざるを得ない。

どこの国も好んで「変動相場制」にしてる訳じゃないんですね。



まあこのあたりの中国経済に特化した話に関しては、またの機会に。





VWの今後と自動車問題


中国の影響でダメになると思ってた所に、今回の排ガス不正ですから、

もうこりゃダメですね。



制裁金は約2兆円だとか言ってるけど、そんなもんで済まないね。

そのうち、そこらじゅうから、訴訟起こされるぜ!


まあ信用を失ったブランドイメージ失墜も大きいけどね。




自動車メーカーの暗部に触れた問題の本を以前読んだ事があるですが、

色々と言いたい事はありますが長くなるので止めておきます。



VW問題と旧GM問題との違い


ちなみに、今回のVWの失墜は、

ゼネラルモーターズ(GM)が

2009年に倒産したのとは、全然理由が違うけどね。


マメ知識として参考程度に記載すると


GMは、当時自ら破産したかったんですね。


その理由は、GMの労組が強かったからなんです。

GMが抱えてた一番の問題は、退職した従業員の健康保険料の支払いにありました。

「レガシーコスト」と言います。)


退職者と、その家族の分の健康保険料まで払っていて、

そのコストが1つ1つの車の代金に乗っかっており、これが最大の赤字の原因になっていました。



アメリカはそもそも健康保険が無い国で、昔GMは物凄く利益を上げて一時世界一の企業だったので、

労組が強くでこういう無茶な条件を通してしまっていた。





要は破産宣告を受けて、連邦倒産法(日本の民事再生手続きに相当)を適用されると

福利厚生 をカットする事ができるので、破産したかったんですね。


そして、2009年破産して、レガシーコストを抱えた不良な会社が、一気に身軽になった後に、

新生GM「モーターズ・リキデーション・カンパニー」として、現在に至るって事です。



VWは完全な不正だから、GMの例とは全く違ってるので、簡単じゃないんでしょうね。。



あと、オバマ大統領が属する民主党の最大の支持基盤(票田)は、

組合だったので、当時痛し痒しだったんですけどね。







今回大儲けした人と今後儲かる方法


排ガス試験不正スキャンダルを事前に掴んだ人は一生遊べるだけの大儲けしたんでしょうね~~!!


VWの失墜は、業界地図も変えますから、この影響がどうでるかを分析する事で次の投資先を見つける事ができるんじゃないでしょうか。






くれぐれも投資は自己責任でお願いします。